庵治石の歴史は古く、平安時代から京都に運ばれていた記録が残っています。「世界一の花崗岩」とさえ評される魅力は、硬度と美しさにあります。
庵治石は一般的な花崗岩より、ひとつ一つの結晶が小さく緻密で、水晶に並ぶほど硬い石です。水が浸透しにくく、そのため経年劣化に強い特性を持っています。磨けば濡れたように輝き、その光沢度は鏡に迫るほど。石全体が二重かすりのように見えるのは「斑が浮く」という現象で、庵治石ならではの神秘的な美しさです。
しかし、このような庵治石の魅力は、すべて人の技が引き出しています。はるか昔から研鑽を重ね、受け継がれてきた石工の技は日本一と言っても過言ではありません。最高の技で加工された石が「庵治石」を名乗れるのです。
地球の骨を磨く、庵治石。
美しい斑がある。
日本の石材業界のなかで庵治石は最高級品と位置づけられています。その価値は、他の原石、墓石加工品に例を見ない高額な値段によっても証明されています。
数あるなかの「庵治石のチャームポイント」として第一に挙げられるのが、斑(ふ) があるということです。斑とは、まだらという意味です。
地学上によると、その秘密は黒雲母の集合体と言われています。しかし、その神秘的な集合体 がなぜ庵治石の一部だけに発生したかは、庵治石の採掘が始まって約1000年経つ現在も謎のまま解明されていません。
地元に伝わる言い伝えとしては、源平合戦で有名な屋島の桜が吹雪となり、庵治石を包んで斑に姿を変え美しく咲いていると言われています。
加工するほど表情豊かに。
石英、長石、雲母などの結晶が小さく、バランスよく、磨けば磨くほど深みのあるつやが出ます。
また、結晶が緻密なため、細かい加工・彫刻ができます。刻んだ文字も見やすく、よく映えるので、墓石として珍重されています。